2008年 06月 23日
おみやげ問題 |
6月20日金曜日、朝起きテレビをつけると、環境保護団体グリーンピースの2人が逮捕され、同団体の事務所が家宅捜査を受ける様子が情報番組の速報で流れていた。
約1か月前、グリーンピースは、「日本の調査捕鯨船・日新丸の乗組員が、海洋上で捕獲したクジラ肉の一部を私物として自宅に送り、市場に流通させている」として、業務上横領の疑いで東京地検に告発状を出していた。
今回の逮捕は、その際にグリーンピースが証拠として提出したクジラ肉の入手方法に違法性があったからだ。メンバーは、捕鯨船の乗組員がクジラ肉を入れ自宅宛てに配送した荷物を、無断で配送会社から持ち出し、証拠として採用した。その持ち出し行為が、窃盗と不法侵入の容疑となった。
この逮捕に関して、グリーンピースの代表は「調査捕鯨の不正行為を告発するための証拠品の入手であり、犯罪を構成するものではない。上申書を提出し、クジラ肉も証拠として提出している。逃亡や証拠隠滅の可能性がない状況であり、不必要かつ不当な逮捕。強く抗議したい」と述べている。
確かに、捕鯨船の乗組員が税金を基に行われた調査で捕獲されたクジラの肉を、私腹を肥やすために、持ち帰っていたとすれば、それは問題だ。
しかし、環境保護という正義の名の下で、グリーンピースがそれを証明するために、法律を破り、罪を犯したことは、さらに問題があると思う。
読売新聞の21日の社説は、「『正義のためなら、多少の不正はかまわない』などという身勝手な理屈が通るわけがない。…グリーンピース・ジャパンは、“不正”の告発と称して宅配便会社の倉庫に無断で入り、荷物を勝手に持ち去り、送り主の承諾もなく中身を開いた。警察でも捜索令状がないとできない、度を越した行為だ」と批判した。
さらに、「捕鯨以外でも、サミットなどの国際会議のたびに、環境保護団体が過激な妨害行動に出る例が相次いでいる。7月7日からの北海道洞爺湖サミットでは、多くの活動家が来日し、激しい抗議活動を繰り広げる事態が懸念されている。サミット会場の周辺を、怒号と混乱の場にしてはならない」と、今回の問題のみに留まらず、サミットで予想される抗議を危惧した。
最後に、読売新聞の社説に主張に加えて考えたいのは、この一連の騒動が「日本の調査捕鯨の正当性」を巡るものでもあったということだ。
結果として、グリーンピースのメンバーの逮捕を受け、東京地検は、捕鯨船の乗組員を不起訴処分とし、横領の疑いは晴れた。
だが、実際に乗組員がクジラ肉を、お土産として持ち帰る「慣習」があることは事実だ。このお土産に対して、乗組員が国に対して金銭を払っていたかどうかは曖昧である。調査捕鯨は、税金で行っているのだから、この「慣習」は「横領」ともとられかねない。
若林農林水産大臣は、「捕鯨船乗組員の鯨肉持ち出しについて、調査を実施して、慣例ではなく、明確な規則を定める必要がある」と述べたが、まさにその通りで、「横領」とも誤解されかねない行為に関しては、明確に正当性を証明しなければいけないと思う。
グリーンピースの告発は、日本の調査捕鯨を止めさせるためのものであった。
調査捕鯨に対しては、国外だけでなく国内からも反対の声が挙がる。
調査捕鯨に対しては、その目的や成果など不明確な点が多いのも事実だ。だから、捕鯨問題に関心が高まっている今こそ、国は、まずは、「お土産」問題から、次に他の問題についても解明し、調査捕鯨の目的や成果を明らかにしなければいけないと思う。
それが、日本が復活を目指す「商業捕鯨」への一歩となるはずである。
約1か月前、グリーンピースは、「日本の調査捕鯨船・日新丸の乗組員が、海洋上で捕獲したクジラ肉の一部を私物として自宅に送り、市場に流通させている」として、業務上横領の疑いで東京地検に告発状を出していた。
今回の逮捕は、その際にグリーンピースが証拠として提出したクジラ肉の入手方法に違法性があったからだ。メンバーは、捕鯨船の乗組員がクジラ肉を入れ自宅宛てに配送した荷物を、無断で配送会社から持ち出し、証拠として採用した。その持ち出し行為が、窃盗と不法侵入の容疑となった。
この逮捕に関して、グリーンピースの代表は「調査捕鯨の不正行為を告発するための証拠品の入手であり、犯罪を構成するものではない。上申書を提出し、クジラ肉も証拠として提出している。逃亡や証拠隠滅の可能性がない状況であり、不必要かつ不当な逮捕。強く抗議したい」と述べている。
確かに、捕鯨船の乗組員が税金を基に行われた調査で捕獲されたクジラの肉を、私腹を肥やすために、持ち帰っていたとすれば、それは問題だ。
しかし、環境保護という正義の名の下で、グリーンピースがそれを証明するために、法律を破り、罪を犯したことは、さらに問題があると思う。
読売新聞の21日の社説は、「『正義のためなら、多少の不正はかまわない』などという身勝手な理屈が通るわけがない。…グリーンピース・ジャパンは、“不正”の告発と称して宅配便会社の倉庫に無断で入り、荷物を勝手に持ち去り、送り主の承諾もなく中身を開いた。警察でも捜索令状がないとできない、度を越した行為だ」と批判した。
さらに、「捕鯨以外でも、サミットなどの国際会議のたびに、環境保護団体が過激な妨害行動に出る例が相次いでいる。7月7日からの北海道洞爺湖サミットでは、多くの活動家が来日し、激しい抗議活動を繰り広げる事態が懸念されている。サミット会場の周辺を、怒号と混乱の場にしてはならない」と、今回の問題のみに留まらず、サミットで予想される抗議を危惧した。
最後に、読売新聞の社説に主張に加えて考えたいのは、この一連の騒動が「日本の調査捕鯨の正当性」を巡るものでもあったということだ。
結果として、グリーンピースのメンバーの逮捕を受け、東京地検は、捕鯨船の乗組員を不起訴処分とし、横領の疑いは晴れた。
だが、実際に乗組員がクジラ肉を、お土産として持ち帰る「慣習」があることは事実だ。このお土産に対して、乗組員が国に対して金銭を払っていたかどうかは曖昧である。調査捕鯨は、税金で行っているのだから、この「慣習」は「横領」ともとられかねない。
若林農林水産大臣は、「捕鯨船乗組員の鯨肉持ち出しについて、調査を実施して、慣例ではなく、明確な規則を定める必要がある」と述べたが、まさにその通りで、「横領」とも誤解されかねない行為に関しては、明確に正当性を証明しなければいけないと思う。
グリーンピースの告発は、日本の調査捕鯨を止めさせるためのものであった。
調査捕鯨に対しては、国外だけでなく国内からも反対の声が挙がる。
調査捕鯨に対しては、その目的や成果など不明確な点が多いのも事実だ。だから、捕鯨問題に関心が高まっている今こそ、国は、まずは、「お土産」問題から、次に他の問題についても解明し、調査捕鯨の目的や成果を明らかにしなければいけないと思う。
それが、日本が復活を目指す「商業捕鯨」への一歩となるはずである。
by matsuyama-nagoya
| 2008-06-23 04:02